今回のTEDトークはみなさんも無意識のうちに経験してるかもしれない「記憶」について、少し怖い現象を紹介しています。

人間は物事をどのように記憶し、どのように思い出すのか?という視点で様々な角度から人間の脳の仕組みを様々な実験を元に研究しているエリザベス・ロフタス博士。

あなたは自分の記憶を正しいと思い込んではいませんか?実は脳が勝手に補正して間違った記憶を正しいと思って居るかもしれませんよ?

ありもしない事を現実に出来る?

そう語る彼女は私は「忘れる」ではなく 「記憶する」事を研究しています。
簡単に言えば、起きてもいないことを覚えていることや実際とは違う風に覚えていることを研究しているということです。それを虚偽記憶と言います。

最初にスティーブ・タイタスという男性が冤罪を被る話から始まります。

とある事件の犯人の捜索中の出来事。当時タイタスが乗っていた車と犯人が載っている車が似ていた事とタイタス自信が犯人に似ているというのです。

その情報から被害者の女性は…

スクリーンショット 2015-04-29 9.15.26この発言で警察と検察はタイタスを逮捕・起訴に踏み切ります。

その後の裁判で被害者の女性は…。

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さて、皆さんお気づきでしょうか?被害者の女性は「この人が一番近い」という推測であったにもかかわらず、裁判では「間違いない」とまで言っています。

ただ単に思い出したのでは?と思うかもしれませんが、この事件の結果はDNA鑑定によりタイタスの無実が証明されます。

その他にも、あるプロジェクトで無実に罪に問われた300人に集まってもらった結果、その中の4分の3が「他人の誤った記憶」が原因だったことがわかっています。

なぜこんなことが起きてしまったのか?それは被害者の中で起きた虚偽記憶が問題となっています。

あなたの脳はウィキペディア?!

そもそも人は物事を記憶する時、そのまま記録したものを呼び出して思い出して質問に答えたりイメージを認識したりしています。

しかし心理学研究は、「記憶は組み立てられるもので再構成もされる。記憶はむしろウィキペディアのようなもので、自ら内容を書き換えることもできれば他人が書き換えることもできる」と証明しています。

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これが虚偽記憶に繋がっているかもしれません。後に彼女は方法次第で他人の記憶を操作し、ありもしない過去を植え付け、事実を捻じ曲げることも可能だと言います。

表現一つで印象がが変わり、記憶が変わる。

この虚偽記憶を知る上で興味深い研究を紹介しています。被験者に模擬事故を見せ、質問の表現を変えて次のように質問しました。

  1. 車がぶつかった時 速度はどれくらいだったか?」
  2. 車が激突したとき速度はどれくらいだったか?」

「ぶつかった時」と「激突」という言葉の違いだけですが、後者の質問をした被験者の方が答えた車の速度は上がり、さらにある証言を得る確率が上がりました。

事故現場でガラスが割れているのを見た

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と言うのです。恐ろしいことに実際の映像でガラスは割れていなかったのにです。

これが虚偽記憶です。表現一つで人間の記憶や印象は変わってしまい、記憶をねじ曲げてしまうのです。

虚偽記憶の良い使い方?

ありもしない事実を脳内で信じこんでしまう怖い現象ですが、ロフタス博士は次の例ではどうか?と言います。

野菜が嫌いでなかなか食べてくれない子どもに、野菜についてのポジティブな印象を植え付けます。すると子どもの野菜に対する印象が良くなって食べてくれる。

私はこういう使い方であれば、使ってもいいのではないかな?と思います。しかし当然倫理上の問題が発生します。簡単に言えば洗脳ですからね。

「親が子供に嘘をつくことを推奨するのか」と非難を浴びたそうです。しかしロフタスはこう言いました。

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結論:記憶は儚いものである

虚偽記憶をよく使うも悪く使うも要はその人の選択次第だと言います。この世の中は実は嘘であふれているかもしれない。根拠のある事実のほうが少ないかもしれません。最後に彼女はこうまとめます。

「記憶は自由と同じで儚いものだということです」